簡易組織再編行為

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簡易組織再編行為とは、当事者にとって影響の少ない組織再編行為を意味するものです。簡易組織再編行為の要件に該当すると、「買主(存続会社等)」または「対象会社側(分割会社等)」の株主総会を省略し取締役会決議により組織再編行為を実行できることになります。

 

買主側の視点でみると、対象会社に交付する対価額が買主側の純資産規模の一定基準より小さい場合にこの要件に該当します。一方で、売主側の視点でみると、組織再編により承継対象となる資産額がその対象会社の総資産額の一定基準より小さい場合にこの要件に該当します。

 

簡易組織再編(例外規定があることには注意)

簡易組織再編行為(株主総会決議が不要)
吸収合併 存続会社 交付対価(株式・金銭等)の帳簿価額の存続会社純資産額に対する割合が5分の1以下の場合は総会承認不要 消滅会社 規定なし
吸収分割 承継会社 交付対価(株式・金銭等)の帳簿価額の承継会社純資産額に対する割合が5分の1以下の場合は総会承認不要 分割会社 承継させる資産の帳簿価額の分割会社の総資産額に対する割合が5分の1以下の場合は総会承認不要

 

株式交換 完全親会社 交付対価(株式・金銭等)の帳簿価額の完全親会社純資産額に対する割合が5分の1以下の場合は総会承認不要 完全子会社 規定なし
新設分割 分割会社 承継させる資産の帳簿価額の分割会社の総資産額に対する割合が5分の1以下の場合は総会承認不要
(※)事業譲渡 譲受会社 事業の全部譲受に該当しない場合は原則として総会承認は不要。該当する場合であっても、譲受対価(株式・金銭等)の帳簿価額が譲受会社の純資産額に対する割合が5分の1以下の場合は総会承認不要

 

譲渡会社 事業の全部譲渡および事業の重要な一部(譲り渡す資産の帳簿価額の譲渡会社の総資産額に対する割合が5分の1以下の場合、重要な一部には該当しない)の譲渡に該当しない場合は総会承認不要

※新設合併及び株式移転には簡易組織再編制度はありません。

※事業譲渡は正確には「組織再編行為」とは呼ばれません。

※5分の1という基準は、これを下回る割合を定款で定めることも可能

※上記各項目における基準には例外あり。たとえば、差損が生じる場合(会社法795条2項)や会社法784条1項但書に該当する場合等

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