吸収分割
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吸収分割とは、吸収型の組織再編行為の一種であり、分割会社がその事業に関する権利義務の全部または一部を承継会社に承継させる取引をいいます。
既存の事業の一部をカーブアウトできるため、企業内組織再編に利用されたり、独立当事者間のM&A取引やその準備)例:グループ会社から複数の売却対象事業を特定の一社に吸収分割により集結させるとして利用されることもあります。
吸収分割と新設分割の実務的な検討
事業売却の際に「新設分割+株式譲渡」により売却をするのか、「吸収分割」により直接的に売却するのかという点においては実務上よく議論になる点です。「新設分割+株式譲渡」スキームの場合、対象会社の分割対象事業の事業部長等が「社長になりたい」等のこだわりが強い場合等には有効な手段になりえます。
そういった場合は、買収者である承継会社側としても「事業買収には興味があるが、安易に吸収分割して組織に取り込むことで事業部長が辞めると言い出すようなことは避けたい。それであれば新設分割で新会社をつくってもらって、その株式を取得して子会社として運営したほうがよいかもしれない」と判断する場合もあります。また、この方法によればアーンアウト等の特殊な定めを設定する際の自由度も上がります。