略式組織再編

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 略式組織再編とは、組織再編行為(組織変更・企業組織再編)のうち、組織再編の効力発生要件として会社法上、特別被支配会社の株主総会特別決議による承認を不要とすることが認められた組織再編をいいます。

特別支配関係とは

 特別支配関係とは、原則として、一方当事会社が、他方当事会社の総議決権の10分の9以上を保有する支配関係をいいます。 被支配会社が定款により10分の9を上回る割合を定めた場合には、その加重された割合が特別支配関係の要件になります。

 

 略式組織再編行為が制度上認められる理由は、上記の様な特別支配関係のある会社間で組織再編行為を行う場合には、当該組織再編行為に係る承認決議の成立が確実視されるためです。

 

 特別支配会社の意向により確実に通るため、会社法上当該決議の省略を認めることで、組織再編株主総会に係る招集費用と時間等を節約する効果があります。

 

 略式組織再編として許容される企業組織再編は、吸収合併吸収分割株式交換、事業譲渡等の「吸収型再編」であり、全ての当事会社での実施が認められます。

 

 一方、「新設型再編」は新たに会社を設立する手法であるため、特別支配及び特別被支配の関係が新設型再編を行う前に形成されていないためになります。

略式組織再編とTOB

株式非公開化(ゴーイングプライベート)や上場企業の M&A 等のケースで、TOB(株式公開買付)で上場株式の完全取得(100%)を目指す場合に、「補完的な(2次的な)手続き」の一つとしても有効な選択肢になります。TOBで90%以上を取得してから、略式組織再編や 交付金合併(Cash-out Merger) を実施し、買収に応じない少数株主を締め出すことができます。

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