2022.05.09
『会社売却とバイアウト実務のすべて』の動画版をはじめました。
まずは第1話から!売却側M&A(セルアウト)を動画解説する日本で唯一の専門チャンネルです。(株)ブルームキャピタル代表の宮崎淳平が、中小・中堅企業のオーナー経営者様向けに、会社売却・事業譲渡・事業承継の現場のノウハウをお届けします。
動画の書き起こし
こんにちはブルームキャピタルの宮崎です。弊社も動画プロジェクトを開始いたしました。私自身は、M&A BANKさんをはじめ他のYouTubeチャンネルに出演させて頂いているんですけどね。ですが、弊社としても M&A (主に、「会社売却」・「事業売却」)のノウハウ等、一専門家として伝えたいことは数え切れないほどあるので、この度YouTube運用を開始いたしました。
弊社YouTubeチャンネルを「会社売却道場」と名付けた背景には、私宮崎が極真空手家でもありまして指導等も行っているのですが、M&Aと極真は全く関係ないようで根本の部分は近いと考えていることにあります。たとえば、上段廻し蹴りが来たらガードするとか、パンチが来たらこうパンチを返すとか、長年の鍛錬で磨き上げた「型(形)」の様なものが、M&Aにもあるんですよね。なので、その型を知ればM&Aの現場でもかなり通用する面もあります。
極真空手の場合、たとえば、突きを強くする、パンチを強くする、ガードを早くする、この様に一見単純に思えるような技術であっても、実践的な慣れや修行の積み重ねが必要なんですよ。ただM&Aの場合、知見を磨くだけで現場でも最低限通用すると感じていて、そういう意味では知識武装することで望ましい結果を獲得できる可能性を高めることができます。
では、望ましい結果とは何かというと、弊社チャンネルは、「会社売却」や「事業売却」をするオーナー経営者等に向けた動画コンテンツとして運用していく前提で言いますと、その様なオーナー経営者等といった「M&A当事者がハッピーになること」が当然挙げられますが、実はそれだけじゃありません。
一般視聴者にわかりやすいよう「売却のノウハウ」という表現を遣ってはいるものの、ただ本当にM&Aで大事なのは、僕が本当にこのYouTubeチャンネルを通じて実現していきたいことは、「売主と買主の双方にとって真に平等な交渉の土台を創ること」にあります。
したがって、メインターゲットの対極の立場の「買主」であっても、動画コンテンツを通じてM&Aの知識やスキル等を磨いて頂きたいとも思っているんですけどね。ではなぜ、「売主」をメインターゲットとして発信していくかと言いますと、M&A市場全体を見渡すと、比較的「売主」の方がそこが弱いことが多いと実感しているからです。
結局、「売主」と「買主」が平等な交渉を経ることで、本来買収すべき「買主」とのM&A取引が成立することになります。その様な「買主」が対象会社の将来性を評価することで良いM&Aが生まれていくと考えています。結局、対象会社の価値を1として買主の価値が10の場合、単純合計額は11になりますが、シナジー効果等によって20や30の組織体に変貌する可能性を秘めているのがM&Aなわけです。
株式譲渡であれば、対象会社株式と金銭等を交換しオーナーシップが移転するだけの話なので、取引成立時点では経済社会に何ら付加価値を創造していないわけですが、もともと別々の企業が新たに同一の組織となり将来性が大きく変わることで、20や30もの価値を将来的に創出する可能性がでてきます。その理想を新組織が現実のものとすれば、売主・買主・対象会社・社会にとっての「四方良し」を実現できることになります。
なぜそういう平等な土台があれば、そういうことができるかと言うと、非公開会社の過半数を取得する場合、その株式の価値の評価額は色々な買主候補によって異なることが理由です。たとえば、ペットボトルの飲料水の様な一般消費財の場合、需要量と供給量が多いので需給バランスによって均衡点を迎えることになりますし、過去の取引事例などをもとに価格の評価も用意なので「1本110円」という相場ができることになります。もう少し難しい例を挙げると不動産の場合、路線価格とかで結構評価ができることになります。
一方、会社の場合、その様な評価は難しく、主に2つの理由があると思います。まず、会社の価値の源泉は将来のCFで、水の様に喉の渇きが癒されるという誰にとっても明確な便益ではありません。また、評価者(買主)にとって対象会社の価値算定額が異なることも挙げられます。後者に関しては、「御社の価値相場は10億ですよ」と言われても、別の会社に当たれば別の評価をしてもらえることになります。
ここでは、高く売るべきだと主張したい訳でなく、売主にとって適切な買主を見極める最善の選択は場合によって異なる旨を述べたい訳です。その最善の選択には騙されない平等な交渉力が不可欠です。様々な買主候補と同等に交渉できる程度に知識・スキル等があれば、許容できるリスクと許容できないリスクを明確化できて、そのことを買主候補に伝達し、お互いにそれらを分配し、評価額に組み込むことができれば、M&A成立後に変なトラブルが発生してしまう可能性を抑えることができます。
対象会社を最も深く知る売主がリスクを整理し、正確にM&A取引交渉の場で共有することで、買主はそのリスクを把握し、売主と同程度に将来の分析も的確に実施できることになります。様々なパターンで将来性を見極め、その前提で良い買収案件だと思って買収することで、買主の成功率も向上します。以上の様なことを実現していきたいと思い、動画コンテンツを発信していきます。
M&Aを検討されている方や、実際に日々実務に携わっている方も、YouTubeにコメントや質問をして頂けますと、私自ら返信したり、動画として取り上げたりします。対話型メディアみたいな形にしていければ嬉しいななんて考えていたりもしています。本日もご覧いただき有難うございました。