イグジット(EXIT)

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イグジット(エグジット、EXIT)とは、オーナー経営者や投資ファンドが自身の保有株式を売却することで、投下資本の回収しキャピタルゲインを獲得する行為を意味します。欧米等では「ハーベスティング(Harvesting:収穫)」とも呼ばれます。

 

 イグジットの方法としては、IPO(株式公開)とM&A(株式譲渡)の2種類が一般的です。厳密には、MBO(経営陣買収)や清算、マイノリティ株式の譲渡等も含まれます。

 

 イグジットは、「出口戦略(イグジットプラン)」という言葉があるように、諸事情を考慮して計画的に進めていかねばなりません。本記事では、IPOとM&Aによるイグジットを中心に解説いたします。

 

M&AイグジットとIPOイグジットの違い

 「IPO」と「M&A」について、イグジットの観点からは実態的にはどのような相違点があるのでしょうか。このことを少し図を用いて解説します。 

 

会社売却,M&A用語,М&AとIPOの違い

 仮にいま、オーナー経営者が70%、その他株主が30%のシェアをもっている企業を想定します。

 

 まずはM&Aイグジット(セルアウト)ですが、これはシンプルに言えばオーナー経営者が自身の持株を買収者へ売却しその対価を受領するという取引です。これにより買収者は当該会社の70%のシェアを保有する株主となります。 

 

 次にIPOについてです。イグジットはオーナー経営者にとっての「投資の回収」を意味することから、IPO時(または後)に株式売却してはじめてイグジットできるということになります。IPO時には「公募増資(新株発行)株数」、「(既存株式の)売出株数」の2つの株数を決めます。

 

 「公募増資」は、IPOの主目的ともいえるもので、一般投資家向けに広く増資を募り多額の資金調達を実行することを意味します。当然その対価は「オーナー経営者」ではなく「会社」に対して払い込まれます。 

 

 一方、「売出し」は、IPOの公募と同時に、オーナー経営者やVCなどが、その保有する株式の一部または全部を売却することを指します。この場合にはじめて「会社」ではなく、「既存株主」が売却対価を受領できます。

 

 これがいわゆる経営者にとっての「イグジット」、よく「創業者利潤」と呼ばれるものです。なお、これらの株式数の詳細等はIPO時に一般に公開される「目論見書」をみればわかります。

 

参考記事

 M&AとIPOの比較についての詳細はこちら

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