PEファンド売却→IPO(21年7月上場)の二段階イグジット。3年後の未来が見えた アシロ様
Q1 ブルームキャピタルとの接点と経緯についてご教示くださいますか?
A1 最初にお会いしたのは、リジョブの望月さんのご紹介だったでしょうか。当時、相談に乗っていただいた際は事業が好調で「いまEXITするべきではないのではないか?今のフェーズではもったいないから弊社が受託して進めるのが中山さんにとって良い選択肢だとは思わない」というアドバイスでした。このアドバイスが私のM&Aを成功に導いた土台だったのかもしれないなと今では思います。実際に1年くらいたって、ブルームキャピタルさんが「ここまでくれば売却を検討しても良いのではないか」といっていた事業上のKPIラインに到達したことから、再度相談にいきプロジェクトが開始しました。いまでも思うのですが、ある程度の期間事業をやってきて、次にやることも決まっておらず、金額規模も数億円程度のValuationでのM&Aは、ブルームキャピタル代表の宮崎さんのいうような「人生を良い方向に変えるイベント」にならないのではないかと感じています。こういうところを深く議論した上で適切なタイミングでプロジェクトが開始できたのではないかと感じています。
Q2 実際にサービス内容はどうでしたでしょうか?どのような強みを感じていただけましたか?
A2 まずはじめにいえるのはいわゆる「紹介サービス」とは全くの別物というのがブルームキャピタルさんのサービスでした。これはAIやマッチングや仲介という立場では絶対にできません。実は何人かアドバイザーや仲介会社とお会いしましたが、コミットメントや専門性やサービス内容とその幅が全く違うという印象を受けました。また、ファンドさんが買収者候補となるというのは最初は思いつきもしませんでしたし、他のアドバイザーと以前相談していた際には候補にもあがってきませんでした。この点、ブルームキャピタルさんは相談した当初から、投資ファンドが買収できる範囲の案件であり候補者とすべきだという点と投資ファンドがこれからベンチャー企業の買収を積極化させる可能性があるという点を主張されていました。ブルームキャピタルさんとしてはベンチャー企業のファンドへのイグジットという一つのパターンを業界につくっていきたいといっていましたが、それが私の案件で実現するとは嬉しいことです。また、私にとってもファンドにとっても大きなメリットが生まれるというのも今では実感しています。
実務的な作業でいえば、中でもプロジェクション(事業計画)の策定については、僕らでも見えていなかった3年後の未来が見えてくるという不思議な体験をしました。正直これだけでも価値があるのではないか?とも思った程です。また、買収者側と売却者側で価格の乖離があった場合のスキーム立案についても一般的なアドバイザーでは立案をするのが難しいのではないかとも思います。あとは調整力ですね。私の場合は完全に売却者である私の立場にのみに立ったアドバイザリーを提供していただきましたが、ブルームキャピタルさんが買収者側に対しても公平となるような支援をしていただけたことは、買収者側に対する信用の醸成にもつながったと思っています。 買収者側にとってどのようなことがメリットとなるのか?それにはどのようにしたらよいのか?そして、それによってどのように売却後の対象会社の運営が安定するのかという点は、売却者としては十分に考えておくべきことだと思います。
Q3 その他コメント、本案件を通じて考えたこと等をお願いできませんでしょうか?
A3 売却を検討している経営者の方向けになりますが、会社売却の経験がない社長の話や、まわりの言うことは全くあてにならない(笑)と思います。ですので、少しでも売却を検討するならその業界での実績が豊富なブルームキャピタルさんのようなプロに間違いなく相談してみたほうがいいですね。ブルームキャピタルさんでいえば、ベンチャー企業で売却を検討される際はまず間違いなくオススメします。理由は、代表の宮崎さんやメンバーの方がベンチャー業界での実績が豊富なことは当然ですが、特に代表の宮崎さんが嫌いになるぐらい細かいんです(笑)
ただ、この細かい作業を繰り返して進めていけたことで僕の場合はトラブルのないクロージングに結びついています。また、売却者にM&A経験がない場合等は特に、売却者と買収者ではノウハウの差が存在します。これを埋めなければ交渉しようにも対等に会話すらできません。私としては5億~10億円を超えるような案件で、「売却」をしようという立場であれば、まずはブルームキャピタルさんへの相談をお勧めしますし、実際にそういう話を受けると紹介するようにしています。なぜならブルームキャピタルさんと話をするだけで、受託してくれるか否かは問わず、今後の見通しややるべきことが明確化するからです。
また、ブルームキャピタルさんに限らず、M&Aの相談をする場合は、少なくともM&A経験が豊富で、できれば自社の業界に強い「アドバイザー」に依頼すべきというのはあると思います。よく考えるとわかることですが、もし仲介会社に業務を依頼した場合、当然に仲介会社は売却者側からも買収者側からも報酬を受け取ります。しかし、仲介会社が買収者側から報酬を受け取るということは、買収者側はその報酬分を取得原価として捉え投資予算が削られますのでValuationから減額されることになります。そう考えると、仲介会社に業務依頼をすると、実際に売却者側が仲介会社に払う報酬の2倍のコストを、実質的には売却者側のみが負担しているということにもなります。それであれば、売却者側のみに立ってアドバイスをしてくれる「アドバイザー」に依頼すべきというのは自然な判断になるでしょう。ブルームキャピタルさんも、報酬額は安いとはいえませんが、それに十分見合った仕事をしてくれました。周りを見ていると「適当」にM&Aプロセスを進行させてあとから問題が起こったり、うまく行かなかったり、本当はもっと高いValuationが妥当なのに、といった事例をとても多く目にしていますので、プロに依頼をするというのは一つの解決策になるようには思います。もちろん、自分が考える以上の条件で法的な縛りも少ないという条件提示をされている場合はそればかりではないとも思いますけどね。
※社名や役職など取引日付けです。
中山様へのインタビュー動画のご紹介
前半編
後半編①
(Web版書き起こし記事は、こちら。)
後半編②
(Web版書き起こし記事は、こちら。)