インカムアプローチ（Income Approach）とは、不動産や事業・企業等の価値評価（バリュエーション）に用いられる考え方で、将来的に発生するインカム指標（キャッシュフローや利益、配当等）の期待値を、そのリスク（不確実性やブレ）が加味された割引率を利用し評価対象の現時点における価値を算定します。

メリット・デメリット

　評価対象の収益獲得能力や固有の事情を価値評価に反映可能である点で優れ、また非常に合理的な評価アプローチであることから、M&A（合併・買収）における対象事業/対象会社の価値算定時に多用されている。

　しかしながら、将来情報（プロジェクション等）の恣意性を排除することは困難を要し、客観性が問題となることもある。また、理論的に継続企業の前提（ゴーイングコンサーン）が敷かれており、この前提に重要な疑義を抱かせる事象又は状況が存在する場合には、インカムアプローチでの価値評価は用いられません。

M&Aで用いられる各種評価手法~インカムアプローチ~

　各種評価手法を纏めた画像はこちらです。