残余財産優先分配権(Liquidation Preference)
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残余財産優先分配権(Liquidation Preference)とは、清算時に普通株主に先立って優先株主が残余財産の分配を受けられる権利をいいます。通常、VC投資等における投資契約や株主間契約等で盛り込まれる権利規定で、みなし清算条項と組み合わせながら用いられます。
M&Aと残余財産優先分配権
残余財産優先分配権とは「清算」に係る概念ですが、「M&A」「IPO」といった一定の資金調達ラウンド条件を充足した場合に、「みなし清算条項」が準用され、創業者と他の投資家(VC等)との利害調整が図られるといった契約スキームがとられます。
より具体的には、保有株式が金銭等の財産に換価される特徴を有する「みなし清算事由」の発生によりM&A等の対価の分配内容が決定されます。また投資者間の利害調整では、完全参加型、キャップ付き参加型、非参加型等の区別や、優先株式間にも優劣関係を持たせることで実現されます。
また、タームシート上で、優先株式はほぼ例外なく普通株式に転換する定めが設計されており、任意での転換(Optional Conversion)と強制転換(Mandatory Conversion)の2パターンがあります。