売上シナジー

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売上シナジーとは、M&A取引・業務提携後に発生する シナジー効果 のうち、売上高の単純合算値を上回る売上が将来に亘り追加的に創出される効果を意味します。クロスセル等による顧客単価の増加やブランドの相互活用などが売上拡大の具体的な要因として挙げられます。

売上シナジーと販売シナジーの違い

ロシア系アメリカ人の経営学者イゴール・アンゾフ(Igor Ansoff)が1979年、著書『戦略経営論(Strategic Management)』の中で、「シナジー効果(Synergy Effect)」の概念を用いて企業の多角化戦略を分析しました。

 

アンゾフは、4種類のシナジー効果を認識しており、その1つが「販売シナジー(Sales Synergy)」です。これは、流通チャネル、販売組織、広告宣伝、商標/ブランド、 倉庫等を共通利用し、効率化させることにより発生するメリットに相当します。

 

したがって、「販売シナジー」とは「統合後の新組織の販売活動が最適化され、将来的に売上増とコスト削減をもたらす効果」と捉えられ、例えば、販売リベートの削減や広告宣伝費の削減、営業拠点/店舗の統廃合等といった「販売に係る一部のコストシナジー」も含みます。

 

一方で、「売上シナジー」は、「統合後の新組織の取り組みにより、研究開発、購買、製造、物流、販売、財務等などすべて面において、将来的な売上拡大に直接的または間接的に貢献する効果」と考えることができます。

 

例えば、新製品・新技術の共同開発、原材料/製品の調達力の向上、生産規模の拡大、生産技術/ノウハウの改善、物流網拡大、信用力/資金調達力の向上、投資拡大等々、「販売」とは直接関係なくても、将来の売上に間接的に繋がる相乗効果は「売上シナジー」に該当します。

 

売上シナジー」と「販売シナジー」には当然ながら共通点を有しており、取扱製品/商品の拡大、クロスセル・アップセル、商標/ブランドの相互活用等がそれらの代表例です。

 

※補足:ここでいう「コストシナジー」、「売上シナジー」は、アンゾフのシナジー概念の認識方法とは異なるアプローチの概念です。

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