売出し(Secondary Offering)

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 売出し(Secondary Offering)とは、金融商品取引法上の法概念で、発行開示の適用対象とするべき既発行の有価証券の販売・勧誘行為のことを言います。

 

 不特定多数の投資家(50名以上)に対して売付けの申込み、または買付けの申込みを勧誘する際、当該行為の対象となる有価証券が、新規発行であれば「公募」に該当し、既発行であれば「売出し」に該当します。

 

平成21年金融商品取引法改正

 平成21年金融商品取引法改正では、有価証券の「売出し」の定義が見直されました。旧金商法において「売出し」の定義には「不特定多数者(50名以上)」と「均一の条件」という2つの形式的要件がありました。

 

 当時の実務家は、金融商品取引業者等による既発行外国証券の販売において、約定数を基準として49人ごとに「均一の条件」の内容を僅かに変更することで、本来必要とされる法定の情報開示を回避しながら、大量の有価証券を市場に投下していたため、投資家保護の観点では不健全な状況が生じてしまっていました。

 

 そのため、「均一の条件」の形式的要件が削除され、「売出し」規制の対象を発行市場における取引の経済実態に近いと考えられる取引に限定されることになりました。

 

売出しと私売出し

 「私売出し」とは、一般に外国証券にかかる取引行為のうち「売出し」に該当しない売付け勧誘等のことを言います。当然ながら、外国証券を「不特定多数(50名以上)」に売付ける場合は「売出し」になり、外国証券を「特定又は少数(49名以下)」に売付ける場合は「私売出し」になります。

 

 国内で発行され国内で勧誘が行われた内国証券は、「公募」又は「私募」で必ず発行されているため、「私売出し」の対象となる有価証券は発行時に国内で販売・勧誘が実施されなかった外国証券に限られます。

 

 「私売出し」とは、具体的には「適格機関投資家私募」に準じた「適格機関投資家私売出し」と、「少人数私募」に準じた「少人数売出し」のいずれかに該当します。

 

 「適格機関投資家私売出し」とは、「特定の相手」への外国証券にかかる販売・勧誘行為であり、「少人数売出し」とは「少数の相手(49名以下)」への外国証券にかかる販売・勧誘行為です。

 

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