RSU(リストリクテッド・ストック・ユニット)

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 RSU(リストリクテッド・ストック・ユニット)とは、“Restricted Stock Unit”の略語で、RSUは代表的なユニット型(事後交付型)のインセンティブ制度の一つです。

 一定の継続勤務期間(権利算定期間)の在任を条件として、権利確定後に株式を報酬として付与するもので、人材のリテンションという観点で非常に効果的な報酬設計であると考えられています。

 RSUは、AmazonやMicrosoft等の外資系企業で広く導入されていますが、日本では現時点でメルカリや楽天等の一部の企業に限定的に利用されております。しかしながら、平成29年度税制改正により事前確定届出給与の要件を満たした場合に損金算入が可能になると考えられているため、今後の導入を検討する企業は増えてくるでしょう。

 

 RSUの流れ

ここでは、将来発行株式型のRSUの流れを簡単に解説いたします。

➀取締役会決議によりRSUを役員等に付与(Grant)する。

➁権利確定(Vest)後、取締役会を開き継続勤務要件を充足した役員等に対し、権利確定した株式相当分の金銭報酬債権を付与する。

➂役員等は、当該金銭報酬債権を会社に対し現物出資し、会社は権利確定分の(譲渡制限のない)新株を交付する(会社は報酬相当額を負債の部から純資産の部に振り替える)。

➃役員等は当該制度により取得した株式を売却(Sell)し経済的利益を獲得する。

 

RSUの税務

 役員等への課税としては、権利確定時点(➁)での経済的利益(時価相当分)に対し給与所得として課税され、売却時(➃)には取得価額と売却価額の差額分に譲渡所得として課税されます。

 RSUには、業績条件や株価条件が付されていないため、PSU/PSとは損金算入要件が異なると解釈されております。RSUには、将来発行株式型以外にも株式交付信託型や株式報酬型SOといった報酬類型が存在し、細かな税務的な検討を重ねる必要があるため、事前確定届出給与と認められるための具体的なインセンティブ設計等については税務の専門家に相談する必要があります。

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