時価純資産法

« Back to Glossary Index

時価純資産法とは、コストアプローチ(ネットアセットアプローチ)による企業価値評価の一種で、貸借対照表上の項目を時価で修正し算出された純資産額を株主価値とする評価手法のことをいいます。再調達時価純資産法や清算処分時価純資産法が該当します。

 

また、実務上、全ての資産負債を時価評価することは困難であるため、価格変動リスクの高い土地や有価証券等の主要資産の含み損益を時価評価するといった対応がとられることが一般的であるので、この実務上の対応を「修正簿価純資産法(Adjusted Net Asset Method)」と呼ぶこともあります。

①再調達時価純資産法

個別資産・負債の再調達時価を用いてBS項目を修正し、BPS(一株当たり純資産の額:Book Value Per Share)を算出する方法です。

 

「再調達時価」の概念には、材料副費も含まれます。この方法による株価等は、評価対象企業を新たに取得することを前提にした価額となる。要するに、新たに同等の事業を開始するために必要な資産負債を導出するという考え方に依拠する方法といえます。

 

税効果に関しては、簿価を再調達時価に修正したときの含み損益に対する法人税等相当額を考慮する方法と考慮しない方法がある。なお、実際に含み損益のある資産・負債を第三者に譲渡するわけではないため、法人税等を考慮することは継続企業の前提に反するという意見もあります。

②清算処分時価純資産法

個別資産の清算処分時価を用いてBPSを算出する方法です。単に時価純資産法という場合は、この清算処分時価純資産法である場合が多いです。継続企業の前提に疑義がある会社や解散・清算を前提とする会社の場合は、この評価法が適切であるといえます。

 

依拠する倒産処理手続に応じて、より安価な早期処分価額を時価として適用したり、処分費用や弁護士費用、その他事務経費も控除する場合もあります。

 

M&A 用語集に戻る

動画で学ぶ
会社売却

週間
宮崎レポート

M&A用語
データベース

『会社売却とバイアウト実務のすべて』書籍サポート

会社売却道場
トップに戻る