EBITA(イービッター)
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EBITA(イービッター)とは、”Earnings before Interest, Taxes and Amortization”の略で利払前/税引前/無形固定資産に係る償却費控除前の利益を指す指標で、M&A実務の世界では企業価値算定時に度々用いられています。
EBITやEBITDAと混同されるケースが多々見られますが、無形固定資産に係る償却費(Amortization)や有形固定資産に係る減価償却費(Depreciation)を如何に捉える利益指標であるかという点で、大きく異なる指標であることを理解しておく必要があります。
EBITA = EBIT + Amortization = EBITDA – Depreciation
マルチプル法とEBITA
評価対象の事業価値(EV)を算出する際に、類似会社のEV/EBITA倍率指標を用いる場合、理解しておくべき前提条件と注意点があります。
~重要な前提条件~
- 対象会社の事業運営上、更新投資が必要な無形固定資産(ソフトウェア等)がない、又は極めて少ない。つまり、無形固定資産の全て又は大半が対象会社の事業運営上、将来的な更新投資が不要なもの(のれん等)。
- 有形固定資産の全て又は大半が対象後の事業運営上、将来に亘り更新再投資が必要なもの。つまり、対象会社の事業運営上、更新投資が不要な有形固定資産がない、又は極めて少ない。
~注意点~
- 前項の重要な前提条件を満たす複数の類似会社を選定し、その平均倍率や中央値などを材料として倍率計算を行う必要があります。
- 有形固定資産の減価償却に関する会計処理方法は、会計基準によって異なる為、特にクロスボーダーでのM&Aや、選定した類似会社が海外企業である場合は、算出した倍率が適正な数値か確認する必要があります。