クラウンジュエル(Crown Jewel)
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クラウンジュエル(Crown Jewel)とは、日本では敵対的買収に対する買収防衛策の一種に位置付けられ、自社(買収対象会社)の重要な事業や子会社又は資産を友好的な第三者に譲渡したり、分社化させることで、自社の魅力を低下させ、敵対的買収者の買収意欲を削ぐ作戦をいう。
本来では、「王冠の宝石」という直訳通り、企業にとって「重要な事業や子会社又は資産」自体を指していた言葉だったが、日本に当該概念が輸入される際、「焦土作戦(Scorched Earch Defence)」との混同が起こり、そのまま定着してしまったため、「クラウンジュエル」という言葉に買収防衛策の意が帯びるようになった。
取締役には善管注意義務・忠実義務が課されているにも拘らず、会社の重要事業・財産の廉価売却・無償譲渡等の職務執行を行うことは、会社が重大な損害を被り株主利益・債権者利益等が損なわれることになり、また実行した取締役に特別背任罪が適用される可能性がある。このようなことから現在の会社法では、厳格な規定が敷かれておりクラウンジュエルの実行ハードルが極めて高くなっている。