コンファーマトリーデューデリジェンス(Confirmatory Due Diligence)

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 コンファーマトリー・デューデリジェンス(Confirmatory Due Diligence)とは、バリュエーション算定基準日以降に重大な株式価値変動事由が発生していないか等を最終確認するためのDDをいいます。

 

 コンファーマトリーDDは、M&Aプロセスにおいて頻繁に実施される、セルサイドDD(ベンダーDD)、プレDD(事前監査)、一般的なDD(詳細DD)等とは異なる目的で実施されます。

目的

 詳細DD又は最終契約締結後、クロージング実行日までに時間が空く場合、株主価値は様々な要因で変動します。そのため、クロージング日の経営状況、財務状態等を最終確認し円滑にM&A取引を完遂させるための最終確認として「コンファーマトリーDD」が実施されます。

 

 また、価格調整条項を含む最終契約書を締結した場合、クロージング実行日までの期間で、M&Aの当事者らが自己に有利となる操作を行ったり、また想定範囲外の利益/損失(又はそのリスク)が発生すること等があるため、当事者らが納得のいく形でクロージングを実施し、クロージング日後の当事者間の紛争リスクを抑える目的で行われることがあります。

 

 買主としては、売主がコベナンツ(誓約事項)を遵守しているかを確認しなければ、対象会社に「価値の流出(Leakage)」が発生しているかを正確に把握することができません。たとえば、売主が、価格調整条項となる現金を増やし売却対価を吊り上げる目的で、禁止行為として規定された固定資産の売却を行った場合などです。

 

 一方、売主としても、買主にコンファーマトリーDDを実施する理由があります。たとえば、クロージング実行日までの期間に、買主の過失により買主企業の時価総額が大きく減少した場合、売却対価として株式を受け取るケースでは、売主が損害を被ることになるからです。

補足

 日本のM&A実務家の間では、「確認的デューデリジェンス(確認的DD)」、「クロージング・デューデリジェンス(クロージングDD)」、「最終デューデリジェンス(最終DD)」等とも呼ばれています。

 

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