確実性等価キャッシュフロー法(CEQ法)

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 確実性等価キャッシュフロー法(Certainty Equivalent Cashflow:CEQ法)では、対象会社の将来の予測FCFのストーリーを複数考え、そのストーリーのブレ幅を材料に割引率を算定して事業価値を算定します。つまりCEQ法は、類似会社βを用いてリスクを測定しづらいベンチャー企業を直に評価する際に適した手法の1つだといえます。

 

CEQ法とエンタープライズDCF法

 実は、CEQ法もDCF法の一種です。DCF法は期待FCFをの不確実性を反映した割引率で割り引くことで事業の現在価値を導出する手法です。では、CEQ法とエンタープライズDCF法の違いはどこにあるのでしょうか。

 

 それは、時間的価値の反映方法にあります。エンタープライズDCF法では、不確実なCFをその不確実性に応じた割引率を用いて現在価値換算します。一方で、CEQ法は無リスクCFである確実性等価CFを無リスク利子率を資本コスト率として割り引くことで事業の現在価値を算定します。

 

 本質的には単純にリスクの異なるキャッシュフローをそれぞれのリスクに応じた割引率で割り引いているだけの違いですので、完全市場環境下では2つのDCF法により算定された現在価値は一致することになります。

CEQ法が有用なケース

 通常、エンタープライズDCF法で非上場会社を評価する場合、類似会社のアンレバードβ平均値を求め、それを対象会社のレバレッジを用いてリレバードすることで対象会社のレバードβを算出し割引率を算定します。なかにはこういった割引率に20%程度を恣意的に付加する等といった非論理的な処理をしている場合もあります。

 

 しかし、果たして非上場会社である対象会社のβを類似会社βで近似してよいのでしょうか?一定程度の規模があり、過去から将来にかけての業績予想も安定しており、IPOも近い……こういった場合には類似会社βを対象会社βの推定に用いる合理性はあります。

 

 しかし、非上場会社といっても、一般的なベンチャー企業や小規模企業を評価する場合、上場してすでに一定の安定感ある類似会社のβを用いて対象会社のβを推測しようというのは論理的に無理があると考えられる場合もあるでしょう。

 

 なぜなら、類似会社βが対象会社の将来FCFのリスクを正確に反映しているとは言い難いケースもあるからです。そこで、類似会社のβではなく、対象会社の予測キャッシュフローとその発生確率(またはランダムに発生させたFCF分布)から、対象会社自身のβを直接推定しようという考え方が生まれます。

 

具体的なCEQ法の理論・算定方法

会社売却実務に即した形で詳しく解説しておりますので、是非一度ご覧ください。

~CEQ法の考え方~

https://buy-out.jp/archives/573

~CEQ法の計算例~

https://buy-out.jp/archives/578

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