β(ベータ値)
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β(ベータ値)とは、個別銘柄(又はポートフォリオ)と金融市場の連動性(市場感応度)を示すリスク指標です。現代ポートフォリオ理論の基礎的な概念の一つで、「個別銘柄の利回り」と「市場ポートフォリオの利回り」との共分散を、「市場ポートフォリオの利回り」の分散によって除すことで算定されます。
βの算出手順
① 類似会社を決定し、類似会社それぞれのβ値を取得(情報サービスやインターネット等より)
② 各社のβ値をアンレバードβ(負債がない場合のβ)に変換し、平均値を得る
③ 対象会社の資本構成を用いて、②で算出された全社平均アンレバードβを対象会社用にリレバードし、負債比率を考慮した対象会社レバードβを得る
βは、対象会社が上場会社であればブルームバーグ等のウェブサイトから取得可能ですが、非上場会社の場合は評価者が推定しなければなりません。βとは、市場リターンに対する対象となる会社の株式等の個別銘柄のリターンの反応度を意味する指標です。
βが1.2の場合、株式市場全体の超過リターンが2%上がれば、対象会社株式の超過リターンはリスクに応じて2%×1.2=2.4%上がることが期待されるということを意味します。なお、実務的にはβの概念や統計的算出方法を理解せずとも、一応は、類似会社データを用いてこれから説明する方法でCAPMに用いるβ値を算出することは可能です。
しかし、高リスク企業の評価やオーナー経営者にとっての対象会社の評価に際しては、βの概念や統計的算出方法を十分に理解したうえで、βをより詳細に推計していく方法もあります。