想定問答集
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想定問答集とは、M&Aディールプロセス全体を通じて買主候補から訊かれるであろう質問を売主側で事前に想定し、その想定質問に対する回答をリスト化したものです。
セルサイドDD等の情報をもとに想定問答集を事前に作成しておくことで、売主やキーマン等のセルサイドチーム内での自社情報の解釈の齟齬を抑え、売却戦略の観点で一貫性のある理想的な回答を実施できる効果があります。
具体的なメリットと効果
特に想定問答集の用意が大きな効果をもたらすのは、投資対象の総合的な調査を実施する買収監査(DD:デューディリジェンス)段階になります。
買主候補は、開示資料を的確に把握し投資価値を見極めるために書面/口頭問わず数多くの質問を行います。たとえば、買収検討対象に係る売主側のキーマンとのインタビューを実施したり、Q&AシートやDDQとも呼ばれる質問リストを売主側に提出し回答を求めることがあります。
一般に、DDフェーズでは、法務・税務・財務・事業等に係る膨大な情報がやり取りされますが、その際、DD機関等による高度で専門的な質問や、即答の困難な質問も頻繁に実施されます。特に、入札方式のM&Aディールの売主は、複数の買主候補からの無数の質問への回答が迫られることになります。
このような場合への対処法として売主側FAを中心に作成されるものが想定問答集であり、事実誤認に伴う矛盾した回答や誤解を招き得る回答等を可能な限り防ぎ、売却対象の企業/事業の価値を正確に矛盾なく訴求することが可能になります。