市場株価法
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市場株価法とは、マーケットアプローチに分類される企業価値評価手法の一種で、上場会社の平均株価を基準に株主価値又は企業価値を評価する方法です。
ポイント
評価対象企業が証券取引所や店頭登録市場に上場している場合、基本的には、市場株価×発行株式総数によって株式時価総額が計算されますが、市場株価法により株主価値を評価する際には、一定の考察が必要です。
なぜなら市場株価は、個別銘柄の流動性等にも当然よりますが、通常、日々大量に売買され短期的に理論株価から乖離するからです。したがって、一時的な市場株価の乱高下といった株式市場の影響を排除するため、一定期間(例:四半期)の終値等の平均値を算出し、これを株主価値と評価するといった調整が行われます。
ここで注意すべき点として、上記で述べた平均株価法による株主価値の評価は、評価対象が単独企業であり、算出値が当該企業のスタンドアローン価値であることが挙げられます。TOB規制の影響により、経営支配権の移動を伴わない少数株主間の売買によって形成された「平均株価」になります。
つまり、経営支配権の移動を伴うМ&A等を目的としたTOB(株式公開買付)が実施された場合には、シナジー効果等で構成されるTOBプレミアム相当分もマーケットで評価されるため、スタンドアローン価値ではなくなるということです。
合併や株式交換等の公表をする直前の日の終値、直前〇ヶ月間等の単純平均株価、直前〇ヶ月間等の加重平均株価、等といった客観的数値に基づき評価されます。