取引事例法（取引事例価額法）は、マーケットアプローチによる企業価値評価手法の一種で、評価対象会社の株式の過去の取引価額を基に現在の株主価値が評価されます。

　取引事例法は、主に不動産鑑定評価等で用いられる評価算定法ですが、ごく稀に、株主価値の算定にも応用されます。

適用時の留意点

　取引事例法は、主に非公開株式の評価に活用されますが、一定の取引量、取引の公正性、直近の事例等の採用基準を満たす必要があります。また、直近取引以降の経営成績や財政状態の変動を度外視することはできないので、その場合には他の評価手法の考え方を取り入れて評価する必要があります。