デットファイナンス(Debt Finance)

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 デットファイナンス(Debt Finance)とは、貸借対照表の負債の部(Debt)に係る資金調達(Finance)手法を意味します。狭義の意では、契約関係により予め規定された条件で債務を履行する義務を伴う、他人資本の調達であると捉えられます。

 

 最も一般的なデットファイナンスは銀行借入や社債発行です。特に、日本においては銀行等の金融機関を通じた間接金融による借入が盛んであることから、デットファイナンスを「間接金融」や「借入金融」と呼ぶことがあります。

デットファイナンスの性質

 標準的なデットファイナンスでは、資金調達者(会社)が、一定の期限で投資元本とリターン(社債利回りや金利等)を支払う義務を負う反面、デット投資家(債権者)に支払うべきリターン(当該調達に係る有利子負債コスト)は固定的であるため、有利子負債コスト以上のCFの創出は、エクイティ投資家(株主又は社員)に帰属することになります。

 

 また、デット投資家は資金提供を行ったとしても会社に係る組織法上の所有権を獲得しないため、保有比率の希薄化や配当等の面で、エクイティ投資家の法的権利が損なわれることはありません。

デット性とは

 資金調達手法はデットとエクイティで完全に分離できる訳ではなく、デット性とエクイティ性の双方を兼ね備える「メザニンファイナンス」が存在します。

 

 したがって、デットファイナンスという言葉がどの様な定義を有しているかは解釈が分かれるものであり、冒頭で「Debtに係る資金調達手法」と定義したのはこのためです。

 

 伝統的なCAPM理論の考え方では、デット投資家は「低リスク低リターン」、メザニン投資家は「中リスク中リターン」、エクイティ投資家は「高リスク高リターン」の投資を実施していると捉えることができます。

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