サイズプレミアム(Size Premium)
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サイズプレミアム(Size Premium)とは、大型株に対する小型株の超過リターンを意味する金融用語で、小型株効果とも呼ばれます。CAPM理論等で説明できない株式市場におけるアノマリー効果の一種として有名です。
近年のM&A市場の活況により、サイズプレミアムに係る理論的研究や実証分析は特に関心を集めておりますが、小規模企業の株式資本コストにサイズプレミアムを加えるべきか否か、そもそもサイズプレミアムは存在するのか、等々の議論がなされています。
CAPMとマルチファクターモデル
サイズプレミアムの検討で最も有名なものは、ファーマフレンチ3ファクターモデルです。時価総額が低い企業の株式ほどサイズプレミアムを生み出すという推定が当該理論ではなされています。
シャープが提唱した伝統的なCAPM理論では、期待収益率と市場βとの市場感応性を基礎としていますが、ファーマ(Fama)とフレンチ(French)は、その正の相関性は実際の株式市場では観測されないとの実証分析結果を公表しました。
ファーマフレンチ3ファクターモデルは、CAPM理論で認識する市場ポートフォリオのリスクプレミアムに加えて、時価総額と簿価時価比率の2つのリスクファクターも分析の基礎とします。
しかしながら、当該理論はあくまで実証データに基づくものであり、流動性リスクやデフォルトリスク等との一定の関連が見られるものの、実務上普遍的に受け入れられているものではありません。